温泉郷ONSENKYO

箱根温泉

温泉郷に関する読み物 — 名湯・地域の温泉文化

2026年9月6日読了 3分
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箱根温泉

大自然のカルデラが育む「箱根二十湯」

神奈川県の箱根温泉は、関東を代表する巨大な温泉リゾートです。箱根火山の大きな火山盆地(カルデラ)全体に温泉が広がっており、今では個性豊かな20箇所の温泉地を合わせて「箱根二十湯」と呼ばれています。源泉の数は350〜480本ほどあり、湧き出る量は毎分約21,000〜23,000リットル。なんと神奈川県全体の温泉の約6割が、この箱根に集中しています。

歴史は奈良時代の738年、お坊さんの釈浄定坊が箱根湯本温泉を見つけたことから始まりました。昔はお湯が自然と湧き出る場所を利用しており、江戸時代には東海道を行き交う旅人を癒やす「箱根七湯」として親しまれました。明治時代になると、天皇の行幸をきっかけに開拓が進んだ「小涌谷」などの新しいエリアも誕生し、どんどん規模が大きくなっていきました。

大正時代になると、井戸を深く掘る技術(ボーリング)が導入され、箱根の温泉開発は一気に加速します。昭和に入ると強羅などのエリアでも開発が進み、源泉の数は一時期ピークを迎えましたが、昭和48年のオイルショックなどを境に、新しい開発は落ち着きを見せるようになりました。

温泉を守るためのルール

温泉がブームになり、大きなホテルや旅館が増えてお湯をたくさん汲み上げるようになると、お湯が枯れたり、温度が下がったりするピンチを迎えた時期もありました。そこで神奈川県や箱根町は、お湯を掘るルールやポンプの規制などの「温泉保護対策要綱」を制定。これによって現在はお湯の量や温度も落ち着き、安定して温泉を楽しめるようになっています。

箱根は火山の中にお湯の通り道が複雑に入り組んでいるため、場所によってお湯の性質が全く違うのが面白いところです。玄関口の湯本などでは、お肌に優しい「アルカリ性単純温泉」が楽しめますが、標高の高い芦之湯などに行くと、火山ガスが混ざった「硫黄温泉」や「硫酸塩泉」が湧き出ており、1つのエリアで色々な温泉めぐりが楽しめます。

箱根二十湯(正式名称)

  1. 箱根湯本 2. 塔之沢 3. 宮ノ下 4. 堂ヶ島 5. 底倉 6. 木賀 7. 芦之湯 8. 大平台 9. 小涌谷 10. 強羅 11. 宮城野 12. 二ノ平 13. 仙石原 14. 姥子 15. 湯ノ花沢 16. 蛸川 17. 芦ノ湖 18. 大涌谷 19. 湖尻 20. 早雲山

箱根町の「温泉係」 — 昭和40年から芦ノ湖岸など温泉非湧出区へ配湯。現在は箱根地区全域に供給網が広がる。

泉質の地域差 — 低地(湯本・塔之沢)は塩化物泉中心。高地(芦之湯・大涌谷)は硫黄・硫酸塩系。同一カルデラ内で深度・経路により泉質が分岐する典型例。

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