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夜間温泉入浴と睡眠・血圧——最新研究のまとめ

効能に関する読み物 — 適応症・体調別の泉選び

2026年9月2日読了 4分
#適応症
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夜間温泉入浴と睡眠・血圧——最新研究のまとめ

「寝る前の入浴はよく眠れる」——これは体験として多くの人が知っています。ストレス・不眠・自律神経の乱れに良い泉質で紹介した泉質のリラックス効果に加え、近年は 夜間の温泉入浴 そのものを対象にした臨床研究が、日本を中心に進んでいます。

別府を舞台にした大規模調査——血圧と夜間入浴

大分県別府市の14施設で1,116人を対象にした前向き研究(PLOS ONE, 2024年)は、夜間の温泉入浴と血圧変化の関係を調べました。

  • 入浴後の血圧低下は、65歳以上の群で若年群より 有意に大きかった
  • 高血圧の服薬、不整脈、うつ傾向、塩化物泉の利用が、入浴後の血圧低下と独立して関連した
  • 高齢者の多くは紙のアンケートを選択し、デジタル調査への参加には世代差があることも判明

この研究は「夜間入浴が高齢者の血圧コントロールに寄与しうる」という仮説を支持する一方、因果関係の確定にはさらなる検証が必要です。

高齢の高血圧患者——睡眠の質と生活の質が改善

九州大学病院別府病院などが実施した前向き研究(Japanese Journal of Health and Research, 2025年)は、65歳以上の高血圧患者28人に、1〜3日間の睡眠促進プログラム(夜間温泉入浴・運動・食事の教育)を行い、3か月間の追跡を行いました。

  • 3か月後、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)が有意に改善
  • 生活の質(SF-36)とメンタルヘルス指標も改善傾向

「薬に頼らない不眠への介入」として、温泉地の資源を活かした取り組みが注目されています。

泉質は睡眠の質を変えるか——塩化物泉と人工炭酸泉

物理療法学雑誌(2023年)に発表されたパイロット研究では、塩化物泉と人工二酸化炭素泉への入浴が、入眠までの時間や深い睡眠(徐波睡眠)に及ぼす影響を脳波で計測しました。

入浴後の体の仕組み(簡略図)
皮膚からの放熱 ➔ 深部体温の低下 ➔ 入眠のしやすさ向上

塩化物泉:塩分の「食塩ベール」で保温 ➔ ゆっくり体温が下がる
炭酸泉:血管拡張と血流変化 ➔ 末梢の放熱パターンが変わる

塩化物泉は湯上がり後も温もりが持続し、深部体温が緩やかに下がることで入眠が促されると考えられています。炭酸泉は血流と末梢体温の勾配(DPG)に異なるパターンを示す可能性が示唆されました。

湯めぐりへの活かし方

  • 宿泊型の温泉旅 では、夕食後〜就寝前の入浴が研究でも用いられやすい時間帯です。
  • 冷え性・末梢循環障害に良い泉質と組み合わせると、温浴後の手足の温かさが持続しやすくなります。
  • 就寝直前の 高温・長時間入浴 は逆効果になりうるため、ぬるめ(40℃前後)で短めが無難です。

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