硫黄泉
泉質に関する読み物 — 成分・泉質名・分析表の読み方
硫黄泉 (Sulfur Spring)
泉質名(和/英):硫黄泉 (Sulfur Spring)。
主要成分・化学式:総硫黄として硫化水素(H₂S)、チオ硫酸イオン(S₂O₃²⁻)などを含みます。化学式例:H₂S (硫化水素)、S₈ (硫黄)など。pHは中性~弱酸性程度です。
濃度基準:総硫黄(H₂S+S₂O₃²⁻相当)が2mg以上。硫黄成分がこれ以下なら泉質名は付けられません。
典型的効能:皮膚表面の古い角質や余分な皮脂を取り除く作用(ケラトリシス)が強く、アトピー性皮膚炎、乾癬、慢性湿疹などの皮膚炎症の改善効果が期待されます。また、硫化水素型では血行促進効果も加わり、末梢循環障害の緩和にも向きます。飲用では糖尿病や高コレステロール血症に効果があるといわれています。
禁忌症:敏感肌の人や高齢者の乾燥肌には刺激が強いため禁忌です。また重篤な腎疾患、高血圧など一般禁忌を守る必要があります。H₂S中毒の危険性は低濃度なので通常は問題ありません。
作用機序:H₂Sは皮膚を通してわずかに吸収され、抗炎症作用や血管拡張作用を示します。角質層のタンパク質分解が促され、古い皮膚がはがれやすくなることで皮膚の再生が助けられます。表皮では、硫黄が熱で酸化・還元される際に硫酸イオンや硫化物イオンが生成し、皮膚刺激が殺菌作用を発揮します。さらにH₂Sは神経伝達物質に類似の作用を持ち、神経痛や筋肉痛を和らげる鎮痛効果があるとも報告されています。
測定・分析方法:H₂Sは現地で亜硫酸ナトリウム・亜硫酸水素ナトリウムなどの試薬で簡易定性し、定量はチオ硫酸滴定法(H₂S+I₂→H₂SO₄)で行います。チオ硫酸イオンは亜硫酸塩定量法で求められます。総硫黄濃度はこれらの合算です。酸化ジンク法でH₂S量を測る方法も使われます。
関連ページ
硫黄泉の施設を探す
関連の読み物
この記事からリンクされているノート、またはこの記事へリンクしているノート